高濃度ビタミンC点滴療法は、普段の食生活では十分に補うことの難しい各種ビタミンを直接体内に投与することで、体の内側から効率よくケアする治療です。
・有効成分を短時間で補える
・経口摂取に比べ、点滴ではビタミンCの血中濃度が20〜40倍に増加する
・注入する量を症状や目的にあわせて選べる
高濃度ビタミンC点滴についてはこちら >高濃度のビタミンCを点滴によって投与することで、血液中に過酸化水素を発生させてがん細胞を攻撃します。同時に免疫機能の向上などを図り、がんの予防や再発防止を目指す治療です。
血中のビタミンC濃度が上がると、がん細胞を殺す強力な抗がん剤効果を得ること、しかも従来の抗がん剤の欠点を凌駕する”天然の抗がん剤”に変わることが分かりました。標準治療と高濃度ビタミンC点滴治療を比較すると、その特長が鮮明になります。
参考:水上治「がんで死なない最強の方法』青月社、2021年11月、P125
『高濃度ビタミンC点滴治療の生みの親』
ライナース・ポーリング博士
1945年 ノーベル化学賞 受賞
1962年 ノーベル平和賞 受賞
1976年、のちに高濃度ビタミンC点滴治療の生みの親といわれるライナース・ポーリング博士とキャメロン医師が発表した論文によると、病院に入院中の治療不可能とされた進行がん患者100人に、毎日10gの点滴と内服でビタミンCを与えた群、コントロール群(ビタミンC未接種のがん患者100人)それぞれの生存日数を比較したところ、500日の時点でコントロール群は全員死亡に対し、ビタミンC群は100人中11人(79年時点で5人)の生存が確認されました。最終的にビタミン軍は、コントロール群の4.2倍、平均300日以上長生きするという、生存率に大きな差が出た結果から、ビタミンCががん自体や、がんにより引き起こされている体の痛み、精神的苦痛などを改善する効果があることが証明されました。
さらにポーリング博士とキャメロン医師は、78年に部位別(8種類)のがんへのビタミンCの効果を研究しました。
8種類:乳がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、肺がん、卵巣がん、膀胱がん、腎臓がん
それぞれの生存曲線が示されていますが、すべてのがんにおいて生存日数が長く、ビタミンCが延命に寄与していることが明らかになったのです。論文執筆時点でも、ビタミンC群のみ8人の生存が確認されました。
2005年にアメリカの公的機関である国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究所、国立食品医薬品局の科学者たちが「PNAS(アメリカ科学アカデミー紀要)」に発表した共同論文では、8名のドクターや科学者が行った研究についてまとめられていましたが、「ビタミンCは正常な細胞に影響を与えず、がん細胞だけを殺す、副作用のほとんどない理想的な抗がん剤である」という内容が発表されております。
論文内に記載された実験では、人間にビタミンCを静脈から点滴したときと同じ状態を、試験管内で再現して行われました。
通常、体内ののビタミンC血中濃度は0.1ミリモル(血中濃度を示す単位)程度ですが、高濃度ビタミンCを点滴すると0.3~20ミリモルまで上昇します。ビタミンCを点滴注射で血液中に送り込むことが重要といわれており、多量のビタミンCを経口摂取しても、尿などにより排出されてしまうため、血中濃度は0.22ミリモルを超えることはないといわれております。
第一の実験は、9種類のがん細胞と、4種類の正常細胞をビタミンCの入った試験管内に1時間さらし、24時間後の結果を観察を行いました。
結果、5ミリモル以下のビタミンC濃度で、9種類のがん細胞のうち、5種類が50%死滅、その他4種類のうち、3種類のがん細胞はその増殖が99%抑えられました。驚くことに、正常細胞には全く影響がありませんでした。
第二の実験は、ビタミンCのがん細胞を死滅させる影響をより詳しく検証したものです。人間のリンパ腫細胞(がん細胞)を、0.1~5ミリモルの間の8段階濃度の中にそれぞれ1時間さらした結果、濃度が2ミリモル以上になるとがん細胞が100%死滅することが確認されました。
この研究を契機に、米国の大学病院を中心に高濃度ビタミンC点滴療法ががんの補助療法として研究と普及が始まり、日本でも2007年から徐々にがん治療の選択肢として導入されるようになりました。
現在では米国、カナダ、日本などの大学病院で、がん患者を対象にした高濃度ビタミンC点滴療法の臨床試験が30以上も進められ、論文も数多く発表されています。
これまでの論文から、高濃度ビタミンC点滴療法が、がん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの症状を改善し、QOL(生活の質)を維持することがわかりました。
また、単独あるいは他の治療との併用でがんの進行の停止や腫瘍の縮小例の報告もあります。何よりも高濃度ビタミンC点滴療法では化学療法のような辛い副作用が殆どないのが利点です。
私たちは、高濃度ビタミンC点滴を全てのがんの基本治療の一つとして推奨しています。
多量のビタミンCを血中に直接投与することで、「抗がん剤」として使用します。
血液中に投与されたビタミンCは強力な抗酸化作用を発揮すると同時に、大量の過酸化水素も発生させます。
過酸化水素に暴露された正常な細胞はカタラーゼという酵素によって中和されダメージを受けませんが、がん細胞の多くはカタラーゼを持たないため消滅します。
通常の抗がん剤とは異なり、余分なビタミンCは速やかに尿中排泄されるため、過剰摂取による重大な副作用の心配は少なく、化学療法や放射線治療の併用療法としても選択していただけます。
また、多量のビタミンCはがん細胞の発生を抑える「予防薬」としても働きます。強力な抗酸化作用によって細胞ががん化することを防ぎ、白血球やマクロファージの機能を高めて免疫機能を強化。さらに抗がん作用のあるインターフェロンの生成を促進し、胃がんの原因とされるニトロソアミンの生成を抑制します。
このような効果は血液中のビタミンC濃度が300mg/dl以上にすることで発揮されるため、食事やサプリメントなどの経口投与では難しく、静脈投与することで期待ができるようになります。
ビタミンC (L-アスコルビン酸)は、コラーゲンの重合やカテコールアミンを生合成する酵素の補因子として働きます。
ビタミンCは酸化されると、1個の電子(e-)を失いモノデヒドロアスコルビン酸ラジカルになります。この時、失われた電子が血中の遷移金属を還元(Fe3+→Fe2+)し、還元された金属が酸素への電子供与体として働きます。その結果、活性酸素種のひとつであるスーパーオキシドラジカル(O2・-)が生成されます。
スーパーオキシドラジカルは、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)により過酸化水素に変換されます。
血液中や正常な細胞はカラターゼやグルタチオンペルオキシダーゼ酵素を持つので、過酸化水素を水と酸素とに分解されます。
一方、がん細胞にビタミンCにより生成された過酸化水素を取り込まれると、分解酵素であるカタラーゼを持たないため、DNAが直接損傷を受けるだけでなくエネルギーを産生するミトコンドリアからの解糖系を阻害するので、ATPの生成傷害をもらたし、結果細胞死を引き起こされます。
手術、抗がん剤、放射線治療が有効ながんの場合は、まずそちらを優先しますが、超高濃度ビタミンC点滴は副作用が非常に少ない安全な治療法であり、併用もおすすめします。
但し、抗がん剤(メソトレキセート[Methotrexate]、ベルケイド[Vercade])を現在投与されて治療中の方は、超高濃度ビタミンC点滴療法をお受け頂けません。
超高濃度ビタミンC点滴療法は、同じ部位のがんでもその効果には個人差があります。またがんの縮小効果だけでなく、生活の質(QOL)の改善や延命、標準的ながん治療の副作用症状の軽減など、がんの補助療法としても用いることができます。
高濃度ビタミンCは「がん細胞」を殺します。その際、抗がん剤と異なり、嘔気や嘔吐、脱毛といった副作用がありません。抗がん剤や放射線治療との併用で効果が高まるだけでなく、低濃度で抗がん剤の副作用を軽減、高濃度で腫瘍の成長を抑制します。
結果として、QOL(生活の質)が改善します。
超高濃度ビタミンCを受けている人は、風邪やインフルエンザにかかりづらいとの報告があります。超高濃度ビタミンCは体力を回復させるとともに、免疫力を向上させます。
高濃度ビタミンCは活性酸素を除去し、炎症を抑えます。また、患部の腫れや痛みを改善し、体の回復を早める効果があります。また、がんに栄養を与える新生血管の成長を抑えることもわかっています。
G6PD検査とは、「G6PD欠損症」と呼ばれる疾患があるかどうかを調べる検査です。
数千人に一人と言われるまれな病気ではありますが、G6PD(グルコース6リン酸脱水素酵素)は赤血球の機能を保つための酵素で、この酵素が欠損している状態で高濃度ビタミンC点滴を受けると赤血球が破壊され、重度の溶血性貧血を起こすことがあります。
その為、当院では高濃度ビタミンC点滴20g以上を受けられる場合、事前にG6PDの採血検査を必ず受けていただくようお願いしております。(初回の10g投与時に採血をいたします)
※もし、既に他院でG6PD検査をされていらっしゃる患者様では、検査結果をお持ちいただければ当院での採血は必要ありません。※検査結果には採血から2~3日前後いただきます。
アメリカのカンザス州ウイチタ市にあるリオルダンクリニックは、高濃度ビタミンC点滴療法によるがん治療を確立したことで世界的に有名な医療機関です。カンザス大学医学部と提携し、これまでに数万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施してきました。このクリニックで経験している副反応は軽微で、副作用による死亡例はありません。実際には殆ど副作用のない安全性の高い治療だと言えます。当院でもこのリオルダンプロトコールに準じた治療を行っています。
まれな腫瘍からの出血:化学療法でも見られる副作用です。
みせかけの高血糖:点滴終了後の数時間は、簡易血糖測定器で測る血糖値が実際の血糖値より高値になります。
インシュリン治療中の糖尿病患者さんでは主治医と相談し、インシュリンの量を調整してください。
まれな尿管結石:ビタミンCは尿管結石になりやすいと言われていますが、研究でビタミンC点滴では尿管結石は起こしにくいことがわかっています。
施術内容 | 料金(税込) |
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超高濃度ビタミンC点滴10g(初回のみ) | ¥8,000 |
超高濃度ビタミンC点滴30g | ¥20,000 |
超高濃度ビタミンC点滴50g | ¥30,000 |
初回のG6PD欠損症の検査費用 | ¥6,000 |
当院で使用している高濃度ビタミンC点滴には防腐剤は一切入っていない安全な製剤を使用しています。
※初回はG6PD検査とビタミンC10gの投与となります。